正しい人の喰い方マニュアル -10ページ目

生きていてすみません―僕が本を書く理由

生きていてすみません―僕が本を書く理由
佐川 一政 (著)
単行本: 274 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 北宋社 ; ISBN: 4938620138 ; (1990/12)

第1章 なぜ僕は本を書くのか
第2章 渇望し、想像する。しかし、実現すればすべては終わりだ
第3章 ぼくのこれから出す「本」について
第4章 カニバリズムは皮膚感覚だ
第5章 閑話休題(ほんのひとやすみ)
第6章 閑話休題言帰正伝(それはさておきほんだいにもどります)―「自己表現」の領域で出会った人々
第7章 唐十郎との出会い―『佐川君からの手紙』の『佐川君』を実像佐川が観る
第8章 閑話休題(コーヒーブレイク)
最終章 言葉の彼方へ
資料篇

現在アマゾンでは取り扱いが中止にされている本である。
日本を代表するカンニバルキラー佐川一政氏の対談集である。

表紙には佐川氏が自筆で描いた自画像が描かれている。
私は逮捕時の写真を見た事があるけれど
その時よりはふっくらと、精悍にかかれているような気がする

人喰いとして批難されながらも
書き続ける彼の姿勢がまざまざと描かれている。

事件からかなり経っての本であるので
人喰い本としては一線を画するし
対談集なのでどちらかと言えば内容が薄い。

で、あるからして発売停止だから……と無理して読むような本では無いと思う


霧の中

霧の中
佐川 一政 (著)
価格: ¥1,365 (税込)
単行本: 175 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 彩流社 ; ISBN: 4882027461 ; (2002/05)

私が持って居るのは話の特集社が出した物で
表紙には女性が足を組んで座っている絵が書かれている。
これはエゴシ・シーレの「座る人」だそうだ。
現在発売されているのは「霧の中」と大きくロゴが全面に出された物である。
1983年9月発売の4版。
1版が発売されてたった10日で4版が発売されている事からも
当時の反響振りがうかがえるような気がする

日本を代表するカンニバルキラーの佐川一政氏の
自伝とも取れる書籍である。
文章は明瞭で、多少誇張しているのではと思う部分はあるけれど
事件の記録としても、小説としても楽しめる本では無いかと思う

フランスで友人の女性を殺し、その肉を喰らい捨て逮捕。
そして精神病院を経由して無事日本に戻って来た経緯など
稀有な経験が包み隠さず書かれている。

巻末には彼の年譜が掲載。
童貞喪失……マスターベーションを覚えるなど
かなりプライベートに踏み込んだ内容が記載されている。

ライフル銃で撃ち殺した後
臀部にかぶりつき、その後屍姦。
すき焼きにして喰うなどまあ、
厳しい内容は後半部に集中している。
心臓が弱い人はくれぐれも読まないほうが良いと思う



著者: 佐川 一政
タイトル: 霧の中

レーニンをミイラにした男

レーニンをミイラにした男 文春文庫
イリヤ ズバルスキー (著), サミュエル ハッチンソン (著), Ilya Zbarski (原著), Samuel Hutchinson (原著), 赤根 洋子 (翻訳)
価格: ¥670 (税込)
文庫: 267 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167309947 ; (2000/03)

目次
第1章 レーニン死す
第2章 冷凍保存か薬剤処理か
第3章 父ボリス・ズバルスキー
第4章 少年時代
第5章 大学時代
第6章 レーニン廟で仕事を始める
第7章 粛清の嵐
第8章 遺体とともにシベリアへ
第9章 1945年、ベルリン
第10章 科学の世界も一党独裁
第11章 迫害の日々
第12章 国境を越える遺体保存チーム
第13章 ニュービジネス

カニバイズムとは少々路線が違うかもしれないけれど
「死体」といった観点でコラムを書く機会があり
その際の資料として購入した。
表紙に写っているのは死後二ヶ月経過した後のレーニンの姿である。

現在レーニンの姿の写真を撮る事は禁止されているので
現地に行かない限り、
レーニンのミイラを見る事ができるのはこの書籍の表紙のみである

世界最高峰の死体保存加工技術について触れられ
最終章の「ニュービジネス」では
徐々に減りつつある仕事を補完する為に
マフィアの遺体をミイラ化するビジネスについて触れている
これも世界の流れか、と思うけれど
どうしても「ミイラ」というと
エジプトの骨と皮だけのミイラを思い浮かべてしまうので
もっと別の単語が無かったのかと思ってしまう程
私達の常識から離れた「ミイラ」像について語っている
正に生きているよう。
そのままの姿で保存をするには様々な装置が必要だそうけれど
その装置をとっぱらった後でもそのままの姿で何年も残り続けるのだそうだ

そう怖い本では無い。



著者: イリヤ ズバルスキー, サミュエル ハッチンソン, Ilya Zbarski, Samuel Hutchinson, 赤根 洋子
タイトル: レーニンをミイラにした男

生存者

生存者 新潮文庫
P・P・リード (著), 永井 淳
価格: ¥588 (税込)

文庫: 447 p ; サイズ(cm): 15
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4102188010 ; (2000)

私が所有している一番古いカニバイズム本。
読んでいて気持が悪くなり、調子を崩してしまった。
アンデスに墜落した飛行機から生き延びた
経過をジャーナリストP.Pリードが
客観的な目で鋭く描く。

この書籍は後日映画化されたそうだけれど
私はそれを見ていない。

初めて読んでから数年後、そしてまた数年後
回数重ねて読むごとに恐怖は薄れたけれど
薄茶に汚れたこの本を手に取るたびに
やはり恐怖を感じてしまう。
この本をよまずして人喰い論を語ることはできないだろう。

恐怖の記録。
いやこの事件は人類の将来の縮図をあらわしているような
気がしてならないのは私だけであろうか。
現在私は四版を所有。1974年5月(初版は4月発売)版



著者: P・P・リード, 永井 淳
タイトル: 生存者

飢饉―飢えと食の日本史

飢饉―飢えと食の日本史 集英社新書
菊池 勇夫 (著)
価格: ¥693 (税込)新書:
210 p ; サイズ(cm): 18
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087200426 ; (2000/07)

序章 今、なぜ飢饉か
第1章 日本列島の飢饉史
第2章 飢饉のなかの民衆
第3章 凶作・飢饉のメカニズム
第4章 飢饉回避の社会システム
第5章 飢饉の歴史と現代

日本の飢饉を取り扱った書籍である。
人喰いはあまりしなかったという日本人でもこれだけあったとは驚きである

以下は参考情報のメモである。

人を食べた者は藩が処刑した
→人の肉を喰った者の目は狼のように光煌いた
 老人の肉、死人の肉は味無し
 婦人、小児の肉は柔らかくて旨い。
 →殺して喰うの一番



著者: 菊池 勇夫
タイトル: 飢饉―飢えと食の日本史

野火

野火 新潮文庫
大岡 昇平 (著)
価格: ¥340 (税込)

文庫: 182 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101065039 ; 改版 版 (1954/04)

以下は参考情報のメモである。

死後硬直の進んでいない死体を見て食べたくなった。
集る虫に負けぬよう血を啜り肉を割いた。
猿の肉 戦地では乾して食った。旨い。炙っても良い
戦後肉を食べたくなくなった


著者: 大岡 昇平
タイトル: 野火

聖なる飢餓―カニバリズムの文化人類学

聖なる飢餓―カニバリズムの文化人類学
ペギー・リーヴズ サンデイ (著), Peggy Reeves Sanday (原著), 中山 元 (翻訳)
価格: ¥4,200 (税込)

単行本: 410 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 青弓社 ; ISBN: 4787231065 ; (1995/12)

目次

はじめに

 (1)通文化的にみたカニバリズム
 (2)分析の枠組み
1 カニバリズムの意識を生み出す象徴(シンボル)
 (3)身体の神秘――フア族とギミ族の死者のカニバリズム
 (4)両性具有の原-存在――ビミン・クスクスミン族のカニバリズム
 (5)人喰いの怪物と〈獣-友〉
2 神話によるカニバリズム慣行の承認と転換
 (6)魂の欲望の顔――十七世紀におけるイロクォイ族の拷問とカニバリズム
 (7)生(なま)の女と調理した男――十九世紀におけるフィジーのカニバリズム
 (8)〈貴重な鷲-サボテンの果実〉――アステカ族の人間の生贄
 (9)カニバリズム慣行の転換と終焉
 (10)結論――その他の象徴(シンボル)と儀礼様式
訳注
訳者あとがき
参考文献
索引

以下は参考情報のメモである。

アステカ族 捕虜を殺す前に檻に閉じ込め太らせた
→脂肪は持続性のエネルギーであり、人体組織を形成する
 必須アミノ酸の形成に必要

パプアニューギニアの人肉食
女性の方が成長が早いので動物性タンパク質は要らない
→上記の根拠により狩猟の成果は男性のみで食べていた
 女性は動物性蛋白が足りず、人肉に手を出し始めた


著者: ペギー・リーヴズ サンデイ, Peggy Reeves Sanday, 中山 元
タイトル: 聖なる飢餓―カニバリズムの文化人類学

カニバルキラーズ

カニバルキラーズ―恐るべき殺人鬼たちの系譜
モイラ マーティンゲイル (著), Moira Martingale (原著), 河合 洋一郎 (翻訳) 価格: ¥1,890 (税込)

単行本: 280 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 原書房 ; ISBN: 4562029064 ; (1997/03)

目次
本能の克服―血まみれの原始時代
混乱のさなかの残虐性―人食いさえもがゆるされる
ニューヨークの食人鬼―アルバート・フィッシュ
人形を抱く男―ヨアヒム・クロル
吸血鬼の接吻―ヘイグとチェイス
母親が怪物をつくるのか―エドワード・ゲイン
「空しく邪悪、それが俺の人生さ」―エドモンド・ケンパー
芸術としてのカニバリズムはあるのか―佐川一政
「したいことをしろ、それが法のすべてだ」―ジェフリー・ダーマー
「手に負えないケダモノがひそかに育つ」―アンドレイ・チカチーロ
なぜ?―性欲とサディズム
狂気をどうやって見分けるか―冷静な殺人鬼たち
これからどうなる?―暴力という病

欧米系の人喰い列伝である。内容的には軽く無く
じっくりと読み物としても楽しめる内容ばかりであった

以下は参考情報のメモである。

アルバートフィッシュ
アメリカ最初の食人鬼。小児愛好家
アドレイチカチーロ
世界最高の人喰い。55人
アフリカ イディアミン ボカサ皇帝は有罪
フィジー「プアカ・バラバ」→長いブタ 人肉の事である

フリッツ・ハールマン
馬の肉と言って人肉を売る
骨が白く変だと顧客が警察に通報
→警察は豚肉だと判断
喉を食い破って殺す。
初めて殺した時は八日間気分が悪かった

ゲオルグ グロスマン
→首吊り自殺

カール デンケ
浮浪者を塩漬けに
三十体の遺体の一部を漬けた容器を保有

エドワード・ゲイン
「生きた人間を死体にすれば良い」という発想

佐川一政
自分と弟とが釜茹でにされ喰われる夢を見る
日本人に性欲を感じない。大柄な女性が好き
ローリングストーンが彼の事を歌い「ソウマッチブラッド」を発表
本・カバー 「今まで食べた中で一番旨かった肉」

ジェフリーダマー
家庭は裕福。四才の時死体とセックス
有色人種に興味。ホモ

アンドレイ・チカチーロ
「小さなステパンはね、彷徨う内に家から遠く離れすぎてしまったの
 あの子はお腹をすかせた人に掴って食べられてしまったの」
→彼の兄が居ない理由を彼の母はこう教えた 
 しかし戸籍上、彼の兄は存在しない。
 彼がふらつかぬよう、母が嘘をついた可能性も





著者: モイラ マーティンゲイル, Moira Martingale, 河合 洋一郎
タイトル: カニバルキラーズ―恐るべき殺人鬼たちの系譜

植民地幻想

植民地幻想―イギリス文学と非ヨーロッパ
正木 恒夫 (著)
価格: ¥2,730 (税込)

単行本: 256 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: みすず書房 ; ISBN: 4622045915 ; (1995/07)

目次
『ビルマの竪琴』と食人種
ポカホンタスと食人種
スー族、そしてコロンブス
『テンペスト』の謎
植民地幻想
ロビンソン・パラドックス
クックと南海の「楽園」
楽園と蛮人のゆくえ
黒いヒーローの条件と限界
新井白石、デフォー、ホーガース、ブレイク〔ほか〕

以下は参考情報のメモである。

カニバル カーニバル
ロビンソン・クルーソー 食人の恐怖を語る
キャプテンクック タヒチを発見
779年ハワイにて死亡
→喰われた?




著者: 正木 恒夫
タイトル: 植民地幻想―イギリス文学と非ヨーロッパ

中国残酷物語

中国残酷物語
山口 椿 (著)
価格: ¥1,050 (税込)

単行本: 200 p ; サイズ(cm): 18
出版社: 日本文芸社 ; ISBN: 4537024895 ; (1995/11)

これでもか~と中国の人喰い事情が紹介されている
奥が深い本である。
が、多分これでも網羅しきっていないんだろうな……と思う。
中国人喰い情報の入門に是非どうぞ
ただ複数の情報が溢れているので、途中頭が混乱してくる可能性は
非常に高いです

以下は参考情報のメモである。

地球の人口、十億が丁度良い
「地球は既に約四倍も定員をオーバーしている」
アメリカ ポール エーリック博士の言葉

死体を冷たい土の中に埋めて虫けらに食わせるよりも
暖かい同胞の胃袋の中に葬り
血となり肉となるのが永遠の生命に繋がる
中国飢饉の人喰い
 黄河流域→漢の時代
 人口密集地→但し地方ではあまり起きていない
 政治環境の変化と因果関係
 収奪の結果「人が人を喰う歴史社会」
 →魯迅が「莫」で語る

「餓賊」の存在。人肉市場へ売る
単身の人や餓民を捕らえる。
臼で引いて食べた→太って色の黒い女が上肉

戦時中死体は動物性蛋白質補給源であった
生よりも塩漬け、乾屍が好まれた
軍人に捕らえられ市場に売り出される事もしばしば
生存競争の敗北者も同じ運命に
流通経路も存在

フィジー諸島では難破船の漂流者を食う
同じフィジー島人でも喰う
→神との義務。難破した人間は神に打ち捨てられた人間なので
 食うことにより、神の関心を買う事ができる

中国の食人に神は居ない。
中国の帝王にとって臣民は全て食用人間である。帝王が臣民を食うことは権利であり臣民が人を喰ったり喰われたりするのは義務である

三国志
劉備元徳の出世前、愛妻を料理して出した劉安「オーカミの肉」
→劉備元徳は涙を流して立ち去る。
 伴に加えようとすると
 「貴殿の伴をするつもりでしたが、老母が家におりますので
  遠方にまいるわけにはいかない」と断る。
→出世の為に殺した訳ではないらしい
 
宦官は人脳を好んだ
女性の生殖器は干肉にすれば永きにわたって醍醐味を味わえ
男性の強壮剤としても使用されていた

もう売っては居ないけれど、十九世紀の終わりごろまで
東南アジアから人肉を買っていた
マレーシア人の肉を「番肉」として捌いていた
生きたまま茹でる
若しくは細かく切り刻んで刺身にして塩水につける
→刺身は復讐の意味合いが強い

肉よりも内臓の法が価値が高かった。
人丹は価値が高く。勇気百倍の効果高し。
ミイラ「蜜人」→「蜜剤」とも
絶食して蜂蜜だけ食べる。一ヶ月で小水は蜂蜜色に
死後も蜂蜜に漬け、百年後に完成。
怪我の際服用すればたちまち治る。
→蜜は殺菌効果が強いので本当?? 

西遊記→三蔵法師の肉を喰いたがる妖怪
    身分の高い人の肉は特別な効果があるとされた




著者: 山口 椿
タイトル: 中国残酷物語